たかがポスター


以前、代議士の秘書をしていた関わりから、
多くの政治家選挙ポスターの作成に携わりました。

 

選挙のポスターは、当然の事ながら当選するためのものです。
単に素敵とか、いいデザインだけでは目的は果たせません。
如何に有権者の心をとらえ、投票に結び付けるかなのです。

 

こんな事がありました。

志し高く何度か挑戦するも落選し続けた候補者が、
背水の陣で訪ねて来たのです。
今度こそ後はない。
勿論ポスターだけで闘うのではないけれど、今回は、私の本気を示したい。
そのための一歩として、勝てるポスターを作りたいのです。

 

確かに落選した時のポスターは、正直言って記念写真そのものでした。
何とか笑顔をつくってはいるけれど、ただ親しみのあるオジサン。
辛口を言えば、彼は無理に笑顔になる必要はないと私は思いました。
何故ならば、彼の政治家としてのキャリア、彼の政治への思いを語るその言葉から、彼の個性はまっすぐな政治姿勢であり、未来を見据えて闘う姿そのものだと私は感じたのです。

だからポスターに、フレンドリーな親しみやすいスマイルは要らないと思いました。

 

スマイルは、時にはその本質を壊す事さえあります
時々、有権者に親しみを持ってもらおうとして、何でも笑顔にするカメラマンがいますが、どう受け止めてもらいたいのかという事を見極めて写真を撮らなければならないと私は考えています。
候補者を身近に感じている有権者ならスマイルも有りですが、何万という票を獲得しなければ国会への切符が受け取れない場合、それだけでない事が多くあります。

 

有権者の中には、ポスターのみで候補者を判断する場合もあるのですから、ポスターの負う役割は計り知れません。ポスター一枚で、最大限の自分という政治家を表現しなければならないのです。

 

そのためには、有権者に政治家としての人となり、伝えたいメッセージを一枚のポスターに託して「この人なら一票入れてもいいかも」と、有権者の心を動かせるものにしなければなりません。

とりあえず選挙のためのポスターを作らなければ...では、決して結果に繋がる優れたポスターは出来ません。

 

そして、それを作るためには、政治家としての自分をどう見せたいのか、そのコンセプトをしっかりと練り上げる事が必要です。

 

彼の場合、表現しなければならないのは、まっすぐな政治姿勢であり、未来を見据えて闘う姿そのもの。

政治家という責任ある役割を果たしうる人物として、人柄を十分に出しながら、尚且つ政治家としての迫力、説得力をどう表現するのかが課題でした。

 

奥ゆかしさが取り柄の人柄は、時と場合には品性として受け止められます。
しかし、政治はリアルな現実の中の戦いです。

 

【個人ブランディング相談 無料で行います!

⇒ 個人ブランディング無料相談 詳細はコチラ

tower-1030862_640

ですから、この人に政治を託しても良いと思わせる頼もしさが無ければ、ただのいい人になってしまいます。

ポスターを作る時、配色、文字の位置等々を決めますが、それは最低の条件。

私が一番重要視するのは、表情です。

 

例えば、明るい将来を示す場合、その顔は未来を見据えて、希望を感じるものでなければなりません。

その時の視線が虚ろであったり、力がなかったら・・・。
有権者はその候補者に、未来を感じるでしょうか?
頼りないなと心の中できっと呟くことでしょう。

表情というのは、相手に対して大きな心理的影響を与えるものです。

 

以前、郵政民営化を唱えて選挙に圧勝した小泉元首相のポスターは、素晴らしいメッセージとして見ていました。
小泉さんの政策の如何はさておき、あの時のポスターの表情は、揺るぎない自信と確信に溢れていました。
説得力のある、何としてでもやり遂げるという力強いメッセージがそこにはありました。
勿論、小泉さんの人物としての個性ではありますが、その表情は他党の党首にはない、迫力がありました。

 

たかがポスター、されど・・・。
人は、まずその見た目から相手を判断します。その人物が信頼に値するか否か。

どんなに優れた内容を持っている人物であったとして、やはり見た目、特にその表情で瞬時に相手を受け止めてしまうのです。

 

さて、背水の陣の候補者の結果は...。

新しいポスターは、これまでとは全く変貌した、説得力のある有権者の期待をしっかりと受け止める姿のものになりました。

出来上がったポスターの顔つきは、別人のように変身し、キャリアと説得力のあるものになっていました。

 

巷でも「あのポスター、今までの彼と何か違う」という声もチラホラ耳にしました。

その事は、選挙参謀や運動家にも伝わり、選挙そのものの勝利に向けた原動力になったようです。結果、接戦の末、議席を奪還。

 

たかがポスター、されど・・・。

人は見た目で瞬時に判断されてしまうという、顕著な例をご紹介いたしました。

 

でも、これは決して政治家だけではありません。

ビジネスの世界に生きるあなたにも言える事なのです。
何故なら、あなたも常に誰かに見られているのですから。

お客様からどう見られるかを意識することを忘れてはならないのです。

【個人ブランディング相談!

⇒ 個人ブランディング無料相談 詳細はコチラ

 

関連記事

カテゴリー

個人ブランディング
コンサルタント
小渕良子です

個人ブランディング基礎セミナー

ページ上部へ戻る