絞り込むのが怖い

先日、私の「個人ブランディング基礎セミナー」を受講された方が「特化」の
ところでこんな一言を漏らしました。

「絞り込む・・・頭ではわかるのですが、怖いんです。すべてを失うようで・・・」

この絞り込みについては、もうマーケティングの中ではずっと言われ続けてきた事。

経営者だったら知らない人はいないでしょう。

 

が、しかし、それを実践し切っている人がどれだけいるのか・・・。

頭ではわかっていてもという彼女の言葉は、現実の経営者の
姿そのものではないでしょうか?

 

怖いんです、すべてを失うようでと言うその次に続いた心のうち。

「それまでやってきた事を全否定するような敗北感があるのです」

「敗北感」…私はそれを聴いたとき、一瞬ザーッとフィルムが
巻き戻される音を聴いたように感じました。

その音はそれまでの彼女の積み上げてきた時間であり、
かつて私自身が感じた音でもありました。

 

全力で取り組んできた人ほど「特化する=絞り込む」という
決断を前にして苦悩するのではないのだろうかとその時あらためて思ったのです。

これまで積み上げ努力をしてきた事を
たった数時間で取捨選択するなどと言う簡単な決断ができる筈がないのです。

 

大切なのは、この特化するという事にしっかりと向き合い、
時には敗北感を感じ、時には不安でいっぱいになっている自分自身を
素直に受け止めて、それを乗り超えて行く。
そのプロセスを経てこそ本物の特化になるのではないかと。

 

それを乗り切ったとき、初めて絞り込むという意味が、腹に落ちるのではないか。

その時初めて迷いなく、特化したと確信が持てるのではないかと。

彼女のその不安や揺れ動く心は、自分の仕事に真剣に取り組んでいればいるほど大きなものではないのだろうかと。

 

彼女の取り組みはいま始まったばかり。

確実な一歩を感じたい…そういう彼女のまっすぐな眼差しに私は
透明な早春の日差しを感じたのです。

 

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コンサルタント
小渕良子です

個人ブランディング基礎セミナー

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