スペシャリストとしての表情

「表情」も重要なペルソナだとお伝えしました。

実は、これについてシビアな実例があります。

 

2年前の参院選のとき、私は急遽依頼されて、ある女性候補のサポートに入りました。

2日後の政見放送の指導のためでした。
NHKでのビデオ撮りも無事に終えて、そのまま大宮駅での街頭演説に移動。

 

お話はこの時のことです。
同じく比例区で出馬していた男性候補と合流しての演説。
夏の夕方5時はまだまだ日が明るく、帰宅ラッシュで駅はいっぱいの人でした。

その聴衆の中の一人の女性が、ふと漏らした言葉に、私は耳がダンボになったのです。

「何だかあの人のポスター、嫌な感じね。こっちを覗ってるようで・・・。」

 

あの人、とは男性候補のこと。
街頭に立ててある、顔写真のポスターを指しているらしいのです。

その大きなポスターを見て、私も「???」と違和感を覚えました。
何が変か・・・一言で言えば「まなざし、目線」です。

 

「覗っている」という意味を「あ、なるほど。」と頷きました。

きっと、全ての印刷物に使われているであろう写真。
この有権者の言葉って、絶対に侮ってはならない内容なんですね。

 

マニフェストに沿って、彼は自らの政治信条を一生懸命唱えているのですが、
それを聞いている有権者は「嫌な感じ・・・」と受け止めてしまっている。

お気づきですね。
これ、第一印象なんです。

 

私は彼の人柄や政治家としての実力は知りません。
どんなに”しおり”を読んだところで、彼という「人物」までは判断できないのです。

きっと口角泡を飛ばして熱弁を振るっても彼の眼差しは、
この女性の脳裏に「彼の印象(イメージ)=嫌な感じ」として
インプットされたことでしょう。

 

嫌な感じを抱いた候補者に、果たして一票を投じるのかどうか。
勿論、彼がその女性に、その後、直接何度もお話しする機会があれば別ですが。
多分、ないでしょう。

 

この女性の感想は、氷山の一角だと私は思っています。
もしかしたら彼女は、別の人にこう言うかも知れません。

「○○という候補者の写真見た? 何だか嫌な感じの人ね」

そして、それは「○○候補は嫌な感じの人」というペルソナとなって伝えられていく、
最悪の事態になるやも。

 

きっと、その男性候補の癖になっている表情なのだと思います。
人を相手の仕事では、表情の悪さ?は致命的です。

 

もしも彼が、政治家としてご自分のブランディング戦略をしっかりと
打ち立てていたならば、このようなプロモーションはしなかったはずだと思いました。

 

たかがポスターと思われる方もいらっしゃるでしょう。
「そんな事で有権者は判断しないよ」と。
政治、選挙の玄人?と言う方達に多いご意見なのですが、
誠に残念ですが、有権者は…。(苦笑)

 

これは決して大袈裟な事ではないのです。
長年選挙に関わって来て、実際こうした事例は沢山見てきました。

 

ネット選挙になっている今日、もしもHP等でも
この写真を使っていたとしたら・・・。
リアルに彼の演説を聴かないまでも、すでにHPの写真を見た時点で、
「何だか嫌な感じ」と受け止められてしまうかも・・・。

 

これは、人の脳のメカニズムなのです。
人を覗うような目つきって、決して信頼を築ける「アイコンタクト」ではない事は
お分かりだと思います。

 

人は初対面のとき、相手の何をもって、付き合っても良いかもしれないと思うのか。
それは、まず顔で判断するという事を以前お伝えいたしましたね。

 

その「顔」とは、ルックスそのものもさることながら、
重要なのは「どの様な表情」かという事なのです。

 

顔の表情は、その時の感情が瞬時に表れる場所です。
どんなにスマイルラインを作っても、懐疑、不信感、怒り、侮蔑などの
ネガティヴな感情を持っていたとしたら、その笑顔は歪んだ醜いものとして
相手に伝わってしまいます。たとえ、それが相手とは無関係であったとしても。

 

相手の方は、その表情は自分に向けられたものとして、
あなたを受け止めてしまうことでしょう。

セルフイメージ=自分のペルソナは、自己責任以外のなにものでもありません。

 

「スペシャリスト」としてのあなたの表情は、そのとき、あなた自身に
どのような事情、理由があったとしても、あなたの大切な顧客にとって
最善のものでなければならないと言うことを常に心においていて下さい。

 

 

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コンサルタント
小渕良子です

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